25歳の生涯ベスト洋画20選

 近所にある映画好きが集う喫茶店のマスターから、生涯ベスト洋画20選の作成を勧められたので記録する。邦画も好きなので、また時間を見つけて書きたい。現在、25歳の自分を構成する洋画20選。


1.マッドマックス怒りのデス・ロード
全編ぶっ通しでクライマックス!圧倒的な情報量に神経が焼かれる。荒涼たる砂漠の向こうから鉄の馬に跨がった女が現れたり盲目のギタリストが戦歌を奏でたり...。所有物だった女が反旗を翻し荒野を征く。輸血袋だったマックスが己の意思でフュリオサに血を分け与える。私たちはモノじゃない。血がたぎるのを感じる。人として、自分として、誇り高く生きるため、己の意思で戦おうと思える映画。

2.ファイトクラブ
「誰かがこうしていたから」という理由で選択したものは、自分を満足させてくれない。本当に欲するものを得たければ、自己を破壊し、血を流せよ!とタイラー・ダーデンがニヤニヤ笑う。固定観念に縛られたつまらない自我なんてブチ抜いてしまえ!と思わせる危険な映画。

3.パシフィック・リム
人間も機械も怪獣も本当にカッコいい。血湧き肉踊る映画。のしのしと動くイェーガーの重厚感や巨大さをリアルに感じさせる細かな仕組みの積み重ねに脱帽する。ソードモードのシーンが本当に好きで、いつ見ても格好良くて、繰り返し再生してしまう。ドクターたちの変テコな友情と、ロン・パールマンの異様な存在感とわけわからん靴も癖になる。何回も観たくなる映画。


4.レオン
レオンがひとりで映画を観るシーンでどうしても泣いてしまう。突き詰められた孤独の奥から発せられるしめやかな愛に心が震える。レオンの唯一の友達である植物・アグラオネマはとても繊細で、葉脈が印象派の絵画のように美しい植物。レオンそのものだったのだなあと思う。

5.(500)日のサマー
相手は自分のことを特別と思ってるし、相手の魅力は自分だけが知ってる。きっと運命なんだ!なんて、恋に落ちると盲目的に信じ込んでしまう。でも何故か心が離れてしまう。なんで?教えてよ!って泣いて喚いても答えは帰ってこない。だって、なんでかわかってないから。わかろうとしなかったから。いつだって気づいた時にはもう遅い。でも季節はまた巡ってくる。そんなスパイシーな現実をポップにかわいく描く映画。

6.パディントン
ドジでトラブルメーカーなパディントン。でも彼は人に親切にするということを、あたりまえにやってのける紳士なのだ。ちょっとした愛の贈答が積もり積もって誰かを幸せにできたら素敵だよなあと気付かされる。疲弊して曇った心が洗われる映画。ママレードパンが食べたくなっちゃう!

7.セブン
不潔な空気感、止まない雨、汚らしい雑踏。モラリティが欠如した町の不穏さに、慄きながらも惹きつけられる。七つの大罪になぞらえた殺人事件によって、人間がただ欲求のまま振る舞えば陥る陰惨な光景が眼前に迫る。そんな地獄を目の当たりにした上で、いかに生きるかを問いかけてくる映画。

8.スター・ウォーズシリーズ
驚きとワクワクの連続に夢中になる。ポッドレースのスリル、酒場のゴチャゴチャ、軽快な音楽、光と闇、楽しさと葛藤、様々な要素が詰まった宝箱。なによりSW愛を語るひとたちの本当に楽しそうな姿が大好き。次の世代に伝えたい映画。

9.牯嶺街少年殺人事件
気づかぬうちにその世界の中に溶け込んで、傍観者として佇んでいることに気づく。時代の空気感、にじみ出る不安が、どの瞬間を切り取っても美しくやわらかで、隙のない構図で描かれる。縛られない女の子たちが強かで好きだ。夏草が匂い立つような映画。

10.ムーンライト
自分が自分として生きようとするには、世界は時に不寛容である。孤独や抑圧といった痛みは避けて通れない。誰しも抱える傷を、月光のように、静かに照らすように、やさしく包んでくれる映画。

11.ドラゴン・タトゥーの女
ルーニー・マーラが魅力的すぎる!どろりとした北欧の冬の描写がいい。ラストシーンが好きで好きで堪らない。その先の未来を期待をしてしまう孤独なリスベットが、悲しく愛おしい映画。

12.ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ベンジャミンの「年を取るにしても、若返るにしても、本当はそこに大きな違いはないんだ。どっちにしても自分でできる最善のことをするしかない。」という言葉がすきだ。自分個人の力では抗えない運命であっても、他者との関わりや学びの中で、ちょっとずつ変化しながら精一杯生きることが大事なんだなと思える映画。

13.メッセージ
言語は、既成の事実を捉えるための手段というよりも、未知なる真実を見つけ出すための手段であり、武器である。
この映画は固定観念の呪縛から静かに解放してくれる。そして、言葉という武器を手に、運命に向き合う勇気を与えてくれる映画。

14.薔薇の名前
異端論議や終末の予感が蔓延する鬱屈とした修道院での謎解きをする師弟。渋く熟練したショーン・コネリーと、少年特有の壊れそうな美しさをもつクリスチャン・スレイターの組み合わせがなんとも素敵。閉鎖的な空間で、歪められた真実を幾層にも重なる謎の中から紐解くスリルに夢中になる映画。

15.ダンケルク
映画と言うより、体験だった。陸の時間、海の時間、空の時間。誰かのドラマにフォーカスするのでなく、ただ起こっていることを淡々と描いている。断片的にしかわからないからこそ、戦争の甚大さが伝わってきて恐ろしくなる。そして、あえて無個性に描かれた人々の、生きたいという普遍的な思いが純粋に伝わって胸が震える映画。

16.インディ・ジョーンズシリーズ
小さいときから家族で一緒にキャッキャ言いながら見ていたシリーズ。未知の世界で冒険したいという欲求を焚き付けられた。おかげで山の小道や路地裏を見つけるとすぐ入りたがる子供に育ってしまった。『失われたアーク』のネパールの酒場での銃撃戦が好き。

17.インセプション
ぐるんぐるん回る画面に酔いそうになりながら夢と現実の交錯に飲み込まれていく。緻密なルールがとても難解ながら、どんどん深みに引き込まれる。担当が分かれてるのもおもしろい。一番やってみたいのはアリアドネの担っていた「夢の世界の構築・設計」。だまし絵みたいな世界も夢の中では実現できてしまう、不思議な空間に浸れる映画。

18.ブレードランナー2049
何者でも無い自分が、ひどく矮小に思えて絶望することがある。曖昧になる実態と虚像、過去と自我。私を私たらしめるものは何なんだろう?今までこうだと思いこんでいたことが破壊される。決して明るい映画ではないけれど、自我の呪縛から開放されて、どこか寂しい爽快感を感じる映画。

19.バーレスク
高まる!アリが高らかに歌い出すシーンで鳥肌が立つ。七変化して迫力満点に踊る女の子たちにいつだってワクワクさせられる。元気の出ないときに励ましてくれて、とびきりのおしゃれをして、胸をはって出かけたくなる映画。

20.AKIRA
乱立するビル、うねるダクト、爆風、鮮血、赤、緑、あまりに鮮やかで緻密な世界に響き渡る「さんをつけろデコ助野郎ーー!!」をはじめとする金田のかっこつけてないのに超かっこいいセリフのコンビネーションがたまらない。巨大な力にぶち壊されたとしても、私達は、再生する未来を選択できる。カタストロフの時代に生きる我々に希望を与えてくれる映画。


2018年映画ベスト10
1.孤狼の血
2.パディントン
3.ボヘミアン・ラプソディ
4.犬ヶ島
5.ブラックパンサー
6.君の名前で僕を呼んで
7.アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
8.オーシャンズ
9.シェイプ・オブ・ウォーター
10.カメラを止めるな!

2017年映画ベスト10
1.勝手にふるえてろ
2.HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY
3.バーフバリ 王の凱旋
4.あゝ、荒野 前後編
5.ダンケルク
6.ブレードランナー2049
7.ローグ・ワン
8.マイティ・ソー バトル・ロイヤル
9.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
10.スパイダーマン ホームカミング

セブン (字幕版)

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